「モバイルバッテリーを選ぼうとしたけれど『mAh』の意味が分からず、どれを買えばいいのかまったく検討がつかない」──これは、かつて私が何度も繰り返した失敗です。
通販サイトや店頭でよく見かける「10000mAh」「20000mAh」という表記。

数字が大きい方が強そう!



強さは関係ないですが、
あながち間違いでもない・・?
数字が大きければたくさん充電できると思い込んで選んだ結果、サイズが大きすぎて持ち運びに不便だったり、期待したほど充電できなかったり…。無知ゆえの後悔を何度も味わいました。
この記事では、**「mAhとは何か」「どれくらいの容量が必要か」「何回充電できるか」**など、誰でもすぐに理解できるように解説します。同じような悩みを抱えている方の助けになれば幸いです。
この記事でわかること
- 「mAh」の意味と読み方
- スマホを何回充電できるかの目安
- モバイルバッテリー選びで重視すべきポイント
- 容量だけで決めると後悔する理由
※この記事は筆者の考えを中心に書かれていますが、意見や感じ方は人それぞれです。異なる意見や見解があることも理解しておりますので、どうかご了承ください。本記事を通じて、少しでも多くの方に伝えられれば幸いです。
そもそも「mAh」って何のこと?


mAhは「電気容量の単位」
「mAh(ミリアンペアアワー)」という言葉を初めて見たとき、正直私は「なんか専門的っぽいし、よくわからないけど大きければいいんでしょ」と軽く見てしまいました。しかしそれが、モバイルバッテリー選びにおける最大の落とし穴だったのです。
「mAh」とは、バッテリーがどれだけ電気を蓄えられるかを表す電気容量の単位です。たとえば10000mAhと書かれていれば、そのバッテリーは1000mAの電流を10時間供給できるだけの電気を持っている、という意味になります。
イメージとしては、「ガソリンタンクの容量」に近いと思ってもらえばわかりやすいでしょう。数字が大きければ、そのぶんたくさんの機器を充電できます。
逆に言えば、この単位の意味を知らないままだと、「たくさん充電できそう」なだけで選んでしまい、自分の使い方にはまったく合わない容量を持て余すことになりかねません。
mAhが大きいほど充電できる回数が増える理由
mAhの数字が大きければ、より多くの電力を持っているということになります。
たとえば、5000mAhのモバイルバッテリーでスマホを1回しか充電できなかったとしたら、10000mAhなら約2回、20000mAhなら約4回というふうに、単純計算では充電回数も倍になります(もちろん実際は変換効率などで前後しますが、それは次の章で触れます)。
つまり、mAhの数字=何回充電できるかの目安として、非常に大切な指標になるのです。
✅ mAhとは「どれだけ電気をためられるか」を示す単位
✅ 数字が大きいほど、充電できる回数は増える傾向にある
✅ 自分の使い方に合ったmAhを知らないと、容量過多や不足の原因になる
具体的に何mAhならスマホ何回分なの?


よくあるバッテリー容量とスマホの充電目安
「結局、自分のスマホはどれくらいのmAhで何回充電できるのか?」という疑問は、モバイルバッテリー初心者なら誰もがぶつかるポイントだと思います。
たとえば、現在主流となっているスマートフォンのバッテリー容量は、おおむね3000mAh〜5000mAh程度です。iPhoneなら機種によって約3200mAh前後、Androidのハイエンド機種なら5000mAh近いものもあります。
この数字をもとに、よくあるバッテリー容量別に、スマホをおおよそ何回充電できるかの目安を挙げてみます。
- 5000mAhのモバイルバッテリー → 約1回〜1.5回分
- 10000mAhのモバイルバッテリー → 約2回〜2.5回分
- 20000mAhのモバイルバッテリー → 約4回〜5回分
ただし、これは理論上の計算です。実際にはエネルギー変換ロスやケーブルの質、使用中の電力消費などの影響で、バッテリーに書かれているmAhの7割〜8割程度しか使えないと考えたほうが現実的です。
つまり、10000mAhと書かれていても、実際には7000〜8000mAhぶんしかスマホへ届かないことがある、ということです。
この点を理解せずに、「10000mAhならスマホ3回はいけるでしょ」と思ってしまうと、いざというときに「あれ?もうバッテリー切れ?」と戸惑うことになります。
スマホ以外の機器にも活用できるのか
モバイルバッテリーはスマホ以外にも、ワイヤレスイヤホン、ポータブルゲーム機、Bluetoothスピーカー、タブレットなど、幅広く使えます。これらの機器のバッテリー容量はスマホより小さい場合も多いため、複数回の充電が可能です。
たとえば、ワイヤレスイヤホンのケースは300〜500mAh程度なので、10000mAhのモバイルバッテリーがあれば、単純計算で20回以上の充電も可能です。
ただし、スマホとは異なる電圧や出力が必要な製品もあるため、全ての機器で充電できるとは限りません。事前に対応機器を確認しておくと、無駄な買い物を避けられます。
✅ スマホのバッテリー容量は3000〜5000mAh前後
✅ モバイルバッテリーのmAhは「理論値」のため、実際は7〜8割が使える
✅ スマホ以外の機器にも使えるが、対応確認は必須
mAhだけで決めていいの?実際の落とし穴とは


変換ロスと実際の出力容量の差
私が最初に失敗したのは、「数字が大きい=たくさん充電できる」と思い込んで、20000mAhの大容量バッテリーを購入したときでした。けれど実際には、想定よりも少ない回数しか充電できず、「なんで?」と混乱したのを覚えています。
理由は、変換ロスです。
モバイルバッテリー内部の電圧(通常3.7V)と、スマホなどに給電する際の出力電圧(5V)との間で、エネルギーの変換が行われるのですが、その過程でどうしてもロスが発生します。
このロスにより、実際にスマホなどへ届けられる電力は、バッテリー表記の7〜8割程度になることがほとんどです。つまり、20000mAhとうたっていても、実質は14000〜16000mAh程度しか使えないというのが現実です。
「表記通りの回数が充電できない」と感じるのは、こうした変換の仕組みを知らなかったためで、まさに私がハマった落とし穴でした。
mAhが多すぎても持ち運びに不便な理由
もう一つ、初心者が見落としがちな罠があります。それは、「容量が大きい=サイズも重さも大きくなる」という現実です。
たしかに20000mAhあれば、スマホを数日間使っても充電が不要なほどの安心感があります。けれど、そのぶんサイズは大きくなり、重さも300gを超えるものが多く、ポケットにはまず入りません。
私は旅行用にと思って買った大容量バッテリーを、普段の通勤カバンに入れていたのですが、次第に「重い」「かさばる」と感じるようになり、結局使わなくなってしまいました。
バッテリーは、使いたいときに手軽に使えることが何よりも重要です。必要以上に容量を求めることで、結果的に不便になるという矛盾が生まれることを、ぜひ知っておいてほしいと思います。
✅ mAhの表記は「理想値」であり、実際は7〜8割が使える目安
✅ 大容量バッテリーは重くてかさばるため、用途を考えた選定が必要
✅ 実用性と携帯性のバランスが重要
さいごに
自分の用途にあった「ちょうどいい容量」を選ぼう
mAhという単位の意味をきちんと理解していなかった頃の私は、とにかく大容量のモバイルバッテリーを持っていれば安心だと信じて疑いませんでした。けれど、その考えは完全に誤りだったと、今でははっきり言えます。
大切なのは「どれだけ充電できるか」ではなく、自分のライフスタイルや使い方に合った容量を選ぶことです。
たとえば、普段の通勤や通学中にスマホを1〜2回充電できれば十分という方なら、10000mAh程度のバッテリーで十分です。軽くて持ち歩きやすく、必要なときにサッと使える。これこそが実用性の高い選択だと思います。
一方で、長時間の旅行やキャンプ、あるいは災害時の備えとして使いたいなら、20000mAh以上の大容量モデルを検討する価値はあります。けれど、常に持ち歩くには向いていないため、シーンによって使い分けるのが理想的です。
また、変換ロスや出力性能など、「mAhだけでは測れないポイント」があることも忘れてはいけません。数字だけを追いかけるのではなく、総合的に見て“ちょうどいい”ものを選ぶ力が、これからの時代には求められていると感じます。
私自身、何度も無駄な買い物をしたからこそ、いまモバイルバッテリーを選ぶときは「容量・サイズ・重さ・使い方」をセットで考えるようになりました。そしてそのおかげで、ようやく納得のいく一台に出会えたのです。
同じように悩んでいる方が、この記事をきっかけに、失敗せずにぴったりのバッテリーを見つけられることを願っています。
✅ 10000mAhは通勤・通学にちょうどいい容量
✅ 20000mAh以上は旅行・災害用におすすめ
✅ 容量だけでなく、サイズや重さも選ぶ基準に入れるべき
✅ 自分の用途に合った「ちょうどいい」バッテリーを見つけることが大切