
ソニーのカメラを長く使ってきたユーザーにとって、Aマウントの終息は一つの節目と言えます



2022年に純正新品レンズの供給が事実上終了し、メーカーの開発や販売の主軸は完全にEマウントへと移りましたね
これまで集めてきた
Aマウント資産をどう活かすか
Eマウントへ移行するなら、
どのタイミングで何を選ぶべきか
これは今、多くのユーザーが向き合う現実的な課題です。
A資産を手放すのか、アダプターを介してEマウントで活用するのか。
そして、中古市場でその価値をどう回収するかが重要な分岐点になります。
本記事では、2025年9月14日時点の最新中古相場をもとに、
定番ズームから名玉単焦点まで価格帯を具体的に整理します。
さらに、買取目安や撤退コスト、Eマウントへの移行を成功させるアダプター戦略までを網羅し、後悔しない選択を行うための判断軸を明らかにします。
この記事を最後まで読めば、主要モデルごとの相場感だけでなく、自分の撮影スタイルに合わせたレンズ選びのポイントや、賢い買取・下取り活用法まで一通り理解できます。
※相場は短期間で大きく変動する可能性があります。ご購入前には必ず店舗公式サイトや価格比較サイトなどで最新価格をご確認ください。
この記事でわかること
- 2025年9月現在のSony A/Eマウント中古レンズ相場と価格帯の全体像
- Aマウント資産を売るか残すかを判断する基準
- アダプターを活用してEマウントでA資産を活かす具体的手順
- 買取・下取り時に押さえるべき価格の目安と撤退コスト
Aマウント終息とEマウントへの転換状況
ソニーのレンズシステムは長くAマウントとEマウントの二系統で発展してきました。
2022年には純正Aマウントレンズの販売が公式に終了し、メーカーの開発の主軸は完全にEマウントへ移っています。



終わったというより、Aマウントは成熟した市場になっただけですよ。



まだ使えるなら、価値を活かす方法を考えたいですね。
新品供給が止まったことで、Aマウントはこれから「中古資産をどう活かすか」が焦点になっています。
中古市場で進む二極化
中古市場では評価が二極化しています。
ツァイス銘の大口径やGシリーズの望遠ズームは写りの信頼性から需要が残り、相場は比較的安定しています。
一方で標準単焦点や初期ズームは、Eマウントに高性能な代替が豊富に揃った結果、価格は下落傾向です。



価値が残るレンズは無理に手放さなくてもいいですね。



代替が多いモデルは早めに買取を考えた方が良さそうです。
これからの選択肢
価値のあるレンズを厳選して残し、LA-EA5などのアダプターを活用してEマウントボディで使い続ける方法。
もしくは中古相場が崩れる前に買取や下取りで資産を現金化し、Eネイティブのシステムへ移行する方法です。
Aマウントは「終わったもの」ではなく、成熟した資産として自分の撮影スタイルに合わせた活かし方を選ぶ段階にあります。
価格の推移を観測しながら、売るか残すかを冷静に見極めることが今後の判断の要になります。
中古相場の全体像:定番ズーム・望遠・名玉・単焦点
AマウントとEマウントでは、中古市場の動き方や価格の傾向が異なります。
ここでは Aマウント と Eマウント を分けたうえで、さらに 定番ズーム・望遠・名玉・単焦点 の4カテゴリに整理します。



ここまで分けておくと、自分が欲しい領域だけすぐ確認できますね。



確かに、用途別に見られると判断がしやすいです。
Aマウント
定番ズーム


- Vario-Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM(SAL2470Z) 約5.8万〜6.1万円
- Vario-Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM(SAL1635Z) 約7万弱〜7万円台
望遠
- 70-400mm F4-5.6 G SSM II(SAL70400G2) 約8万円前後
名玉


- Sonnar T* 135mm F1.8 ZA(SAL135F18Z) 約7万〜8.2万円
単焦点


- Planar T* 85mm F1.4 ZA(SAL85F14Z) 約5.8万〜7.5万円



古くても描写に定評のあるレンズばかりですね。



アダプター経由ででも、使ってみたいですね。
Eマウント
定番ズーム


- SONY FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS(SEL2870) 約2万〜2.5万円
- Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS(SEL2470Z) 約5.5万〜6.5万円
- TAMRON 28-75mm F2.8 Di III VXD G2(A063/E) 約8.5万〜9.5万円
望遠


- SONY FE 70-200mm F2.8 GM OSS II(SEL70200GM2) 約27万〜31万円
- SONY FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS(SEL100400GM) 約20万〜23.5万円
- SONY FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS(SEL200600G) 約20.5万〜23.5万円
- TAMRON 70-180mm F2.8 Di III VXD(A056/E) 約11.3万〜11.8万円
名玉


- SONY FE 135mm F1.8 GM(SEL135F18GM) 約16万〜19万円
- SONY FE 24mm F1.4 GM(SEL24F14GM) 約12.8万〜15万円
単焦点


- Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA(SEL55F18Z) 約7万〜7.3万円
- SONY FE 50mm F1.4 GM(SEL50F14GM) 約14万〜16.5万円



Eマウントは現行供給が続いている分、相場が安定している印象ですね。
※相場は状態や付属品、タイミングで常に変動します。マップカメラ、フジヤカメラ、カメラのキタムラなど複数店舗を横断してチェックし、価格.comやオークション落札相場を併用しておくと、売買の判断をより的確に行えます。
参考HP:マップカメラ、カメラのキタムラ、フジヤカメラ、価格.com 、 J-カメラ、カメラファン、aucfan





人気モデルは入荷直後に売れてしまうこともありますよね



だからこそ、定期的な相場の観測が欠かせませんね。
買取・下取り目安と撤退コスト
AマウントとEマウントの中古市場を踏まえて、売却や下取りの際に押さえておくべきポイントをまとめます。
買取価格の「床」を知る重要性
中古市場では、レンズごとにおおよその「床価格(最低買取ライン)」があります。
これを把握しておくと、安く手放してしまうリスクを避けられます。



床価格を先に押さえておけば、交渉もスムーズですね。



値崩れしても、最低ラインが分かれば安心して決断できます。
例えばLA-EA5アダプターは、マップカメラのワンプライス買取で約1万円が提示されています。
購入価格が2万円強だったとしても、撤退コストは1万円台前半から半ば程度に抑えられる計算になります。
店舗別・状態別の買取目安
マップカメラ、フジヤカメラ、カメラのキタムラなど、主要店舗の買取額を横断して確認することが重要です。
同一モデルでも「美品」「良品」「並品」と状態ランクで数千円から数万円の差が出るため、見積もり比較は必須です。



査定を一店舗で決めず、複数に出すだけで数万円違うこともあります。



状態ランクの定義も店舗ごとに微妙に違うので、基準を見ておくと安心ですね!
撤退コストを意識した計画
レンズ資産を売却するタイミングを決める際は、買取価格だけでなく撤退コストを計算に入れます。
購入時の実勢価格と現在の買取床との差額を把握すれば、損失を最小限に抑える判断が可能です。



投資感覚で「いくらで撤退できるか」を把握しておくといざというときに迷わずに済むかもしれませんね



その考え方なら、長く使ったレンズでも冷静になれるかも・・?


A資産をE移行で最大限活かす戦略
Aマウントの資産をそのまま眠らせるのはもったいない。
Eマウントへ移行する中で、いかに既存のAレンズを活かすかがポイントになります。
アダプターの選び方
AマウントレンズをEマウントで活用するための鍵はアダプターです。
LA-EA5はEボディの像面位相差AFを利用でき、SSM/SAMレンズに加えスクリュードライブ系でも条件付きでAFが動きます。
ただし機種によって瞳AFや連写時の追従など制限が異なるため、ソニー公式の適合表を必ず確認してください。



対応表を見ないで買うと、後で機能が使えないと気づくことがあります。



事前チェックが移行成功の第一歩ですね。
自分の撮影スタイル別に確認
スチル中心ならAFエリアの広さと連写時の追従性能、動画主体ならAF移行の滑らかさやスクリュードライブの作動音が実用判断の肝となります。



動画ならブリージングや作動音まで気にした方がいいですよ。



確かに静かな環境だと音が気になりますね。
レンタルで試してから決める
GOOPASSやRentioなどのレンタルサービスを使えば、Eマウントボディとアダプターを実際に試すことができます。
短期レンタルでAF追従や瞳AFの歩留まりを確認してから購入すれば、失敗コストを大きく下げられるのでおすすめです。



一度現場で試してから決めるだけで、後悔はほぼ防げます。



買う前に動作を体感できるのは安心ですね。
A資産をEマウントで活かす最大のポイントは、「残すレンズを厳選」しつつ「アダプターの特性を理解して選ぶ」こと。
この二つを押さえれば、Aマウントの描写個性を楽しみながら最新のEボディ性能を引き出すことが可能になります。
Aマウント資産を無駄なく活かしたい方は、こちらの解説をあわせて読むことで、自分の環境に合った最適な移行手順をより深く理解できます。
→ [「アダプター流用(A→E)」はこちら]
さいごに:後悔しないE移行の設計
Aマウントの終息は、単なる過去の話ではなく、これからのシステム構築を考えるきっかけになります。



終わりではなく、活かし方を選ぶフェーズに入っただけです



自分の撮影スタイルを見直す良いタイミングですね。
撮影スタイル別の最短到達セットを考える
人物やイベント撮影なら35-150mm F2-2.8のような一本完結型ズームが効率的。
風景中心なら28-75mm F2.8 G2と明るい50mm、動画寄りなら20-70mm F4 Gなど、Eマウントの現行レンズから目的に合わせて選ぶと移行後の満足度が高まります。
A資産は「遊ぶ」か「売る」かを見極める
ツァイスやGの名玉レンズは今も独自の描写を誇ります。
アダプターでEマウントに活かして遊ぶのも一つの楽しみ方。
一方で、Eマウントに代替が多いレンズは早めの売却で資産価値を確保するのも賢明です。



早めに売るか残して楽しむかは、自分の撮影計画次第です。



どちらを選んでも、事前に相場を掴んでおけば後悔しませんね。
市場を観測する習慣を持つ
中古価格は在庫や季節要因で動きます。
マップカメラやフジヤカメラ、価格.comなど複数の観測点を月次で確認することで、売却のタイミングや購入の「谷」を見極めやすくなります。
Aマウントは終わったものではなく、成熟した資産として新しい活かし方を選べる存在です。
Eマウントの充実した現行レンズ群と、自分が持つAレンズの価値を冷静に比較しながら、最適な移行戦略を設計してください。
価格と資産を見極める目を養えば、後悔のないシステム刷新が必ず実現できます。
自分の撮影スタイルや予算に合わせて相場を定期的に見極めながら、最適なレンズを賢く選べば、これからの撮影体験を一段と豊かで満足度の高いものに育てていけるでしょう。


参考HP:マップカメラ、カメラのキタムラ、フジヤカメラ、価格.com 、 J-カメラ、カメラファン、aucfan