シャッターを切ったのに写っていたのは背中だけ、
せっかくのダンスが誰かの頭に遮られて台無し……
バテ男そんな経験、ありませんか?



運動会は、
一年で最も「撮り逃し」が多いイベントのひとつですよね
原因のほとんどは、機材ではなく
「立ち位置」と「カメラ設定」にあります。
何をどこからどう撮るか――
事前の戦略だけで、結果は大きく変わるのです。
本記事では、カメラ初心者でも「撮れる人」になるための方法を徹底解説します。
競技ごとのベストポジションから、スマホ・一眼別の設定テクニック、
さらに撮影に失敗しやすい“あるある行動”まで、網羅的にまとめました。



何度も運動会で悔しい思いをしてきた筆者だからこそ伝えられる、
“実践的かつ確実性の高い撮影戦略”をお届けします。
✅ この記事でわかること
・運動会で“我が子を確実に写す”ための準備
・撮影位置のベストとNG例を競技別に紹介
・機材別に異なる撮影位置と設定の考え方
・失敗しがちな行動とその回避法




全体戦略編:撮れる親になるための事前準備


運動会前に必ず確認すべき「3つの基本」
① 配布されたプログラムの読み込み
まず基本は、学校・園から配布されるプログラムです。
競技の順番、開始予定時刻、配置図、立ち入り禁止エリアの情報は必ず確認しておきましょう。
例えば「どの競技に力を入れて撮るか」をここで決めておくと、当日の移動にも無駄がなくなります。
② 会場レイアウトの事前把握
学校によっては運動会前に“下見”が可能なケースもあります。
難しい場合でも、過去の写真やGoogleマップなどを活用し、
「どこが正面なのか」「テントはどこに立つか」「走路の向きは?」など、構図を想像しておきましょう。
③ 撮影ルール・機材ルールの確認
三脚や脚立の使用可否、撮影エリアの制限は学校ごとに異なります。
撮影可のエリアでも「しゃがみ撮影限定」や「他人を映さない配慮」などがある場合もあります。
特に望遠レンズを使用する場合は、周囲への配慮と位置取りの計画がセットで必要になります。
撮れる人は、当日の立ち回りより前に「事前戦略」で差をつけている
立ち位置を決める前に導線を描け
当日のカメラマンたちは、「場所取り」にばかり意識が向きがちです。
ですが、本当に重要なのは「どう動くか」のルート=導線設計です。
2つの基本導線パターン
- 戻る導線:拠点(シートやテント)を起点に、毎回そこへ戻るスタイル
→ 荷物の管理はしやすいですが、移動距離が多くなりやすく、次の競技に間に合わないことも。 - 回遊導線:一方向に移動し続け、戻らないスタイル
→ 一筆書きのように進むため効率的。ただし、荷物を持ち運ぶ必要があるため準備がカギとなります。
導線設計のポイント
- 「どの競技でどこに移動するか」をプログラムと会場図に沿って時間割のように書き出す
- 途中での“行き止まり”や“混雑ゾーン”を回避するため、複数ルートを持っておく
- 家族で分担する場合は、それぞれの役割と集合タイミングを共有しておく
良い写真は、偶然ではなく「通るべきルート」から生まれる
撮影可能エリアと禁止事項の見落としが致命傷になる理由
見落としがちな“運動会撮影最大の落とし穴”が、禁止エリア・制限ルールです。
よくある撮影制限の例
- トラックの内側へ立ち入り禁止
- 観覧席から前方への移動禁止
- 三脚・脚立の使用は後方のみ可
- 撮影は保護者のみ可(兄姉・祖父母NG)
- 立ったままでの長時間撮影禁止
この制限に違反した場合…
- 注意を受けるだけでなく、撮影を強制終了させられることもある
- 他の保護者とのトラブルに発展し、子どもにも気まずい空気が伝わってしまう可能性がある
- 今後の学校行事で「撮影全面禁止」に繋がる例も報告されている
確認すべきこと
- 撮影可能エリア(開始前に目印で確認)
- 撮影禁止の競技や時間帯があるか
- 使用予定機材が制限対象か
撮れるかどうかは、「自分がどれだけ気をつけるか」にかかっている
競技別のベスト立ち位置とカメラ設定
かけっこ・徒競走:どこからどう撮る?設定と位置の組み合わせ


運動会の王道、かけっこ。
しかし実際には、「ブレた後ろ姿しか撮れなかった…」という声がとても多い種目です。
ベストな立ち位置
- ゴール直前の“斜め前”
- 約30〜45度の角度で、走路が視野に入るポジション
- 子どもがカメラの方向へ向かって走ってくる位置
この角度であれば、終盤のスピードが落ちたタイミングで表情を捉えやすく、
ピントも合わせやすくなります。
避けたい立ち位置
- スタート位置の真横:顔が見えない
- コース真横:走る子ども同士が重なりやすい
- カーブの内側:進行方向と顔が反対になる
設定のコツ
- シャッタースピード:1/1000秒以上で動体ブレを防止
- AFモード:コンティニュアスAF(AF-C)で動きに追従
- フォーカスエリア:中央1点 or ワイドエリア(顔認識あり)
ゴール前に構えておくことで、表情・動き・勝負の瞬間が全部撮れる
リレー:バトンとゴール、どちらを狙うかで立ち位置が変わる


リレーは範囲が広いため、「全部撮ろう」とすると何も撮れません。
事前に“どこを撮るか”を明確にしておくことが成功のカギです。
おすすめの撮影ポイント
- アンカーのゴール付近
→ 勝敗が決まる、感情が爆発する瞬間を狙える - バトンパスゾーン
→ チームワークの象徴である“受け渡し”の一瞬を捉える - カーブ外側からの俯瞰
→ 躍動感のある構図になりやすい
注意点
- ゴール付近は混雑が激しいため、早めの位置取りが必要
- バトンゾーンはレーンの位置を事前に確認しておくこと
- 自分の子が何走者なのかを正確に把握しておくこと
設定のポイント
- ズーム:中望遠〜望遠(70〜200mm以上)推奨
- 連写モード:バトンの瞬間やゴールシーンに対応するため必須
- ISO感度:曇天でも1/1000秒を維持できるようAUTO+上限設定あり
狙う場所を決め打ちすることで、「ブレずに・迷わず・的確に」残せる
団体競技(玉入れ・綱引き):構図が整う角度とレンズ選び


玉入れや綱引きは、人数が多いため構図がごちゃつきやすく、
撮影者にとっては“難所”です。
玉入れのおすすめ位置
- 籠の斜め後ろ or 横の後方
→ 子どもが上を向く表情が撮れる
→ 玉の軌道も入って、何をしているかが一目でわかる
綱引きのおすすめ位置
- 自分の子が属するチーム側の正面斜め
- ロープが“画面を斜めに切る構図”を意識
設定のポイント
- 玉入れ:絞りはf5.6前後で、背景もほどよくボカして整理
- 綱引き:顔が隠れやすいので、少し高めの位置から狙うのも効果的
- 焦点距離:35mm〜85mm程度がバランス良し
見たままを撮るのではなく、「どこをどう切り取るか」が問われる場面
設定・位置 一覧まとめ
徒競走・かけっこ
| 観点 | 良い立ち位置 | NGな立ち位置 | 推奨設定 |
|---|---|---|---|
| 構図 | ゴール手前の斜め前(30〜45度) | スタート正面/真横/カーブ内側 | シャッター1/1000以上、AF-C、中央orワイドAF |
リレー
| 狙う位置 | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| アンカーのゴール付近 | 感情が出る/勝敗の瞬間が撮れる | 子が中継走者だと写らない可能性 |
| バトンパスゾーン | チームワーク/失敗や成功が出やすい | 混雑しやすい/レーン確認必須 |
| カーブ外側 | 表情と動線を両立/スピード感あり | ドラマ性は薄れる傾向あり |
| 推奨設定 |
|---|
| 中望遠〜望遠(70〜200mm以上)、連写、ISO上限設定付きAUTO感度、AF-C |
団体競技(玉入れ/綱引き)
| 競技 | ベスト位置 | 理由・コツ | 補足設定 |
|---|---|---|---|
| 玉入れ | 籠の斜め後ろ/横後方 | 上向きの顔/玉の軌道を捉えやすい | 絞りf5.6/構図を整理 |
| 綱引き | 自チーム側の斜め正面 | 顔と動きが両方見える/ロープが画面を斜めに | 高めの角度で顔が隠れにくい構図を意識 |
表現系シーンの攻略法:動かない時間を活かす撮影術


ダンス・表現:正面だけじゃない、差がつく角度とは
運動会で最も多くの保護者が集中するのが「ダンス」や「表現運動」の時間です。
しかし、完全な正面中央からの撮影は、他の観覧者と被ってしまうことも多く、思ったように写らないことが少なくありません。
正面の判断基準
- 指導者席や来賓席、放送テントの向き
- 事前練習時の子どもたちの向き
- 子どもの立ち位置(前列/後列/中央/端)


おすすめの立ち位置
- 正面から少し左右に外した位置
- 斜め前方から、前列の頭を避けられる高さ
- 子どもの列の端に合わせることで、他の子に隠れない角度を取る
設定のコツ
- シャッタースピード:1/500秒〜1/800秒程度(軽い動き対策)
- 絞り:f4〜f5.6(複数人にピントを合わせやすい)
- AFモード:シングルAF+顔検出ON
正面に固執せず「撮れる角度」を見極めることで、全体の雰囲気と個の表情が両立する


入場・退場・整列:静の瞬間にフォーカスする理由
一見地味に思える「入場」や「退場」、整列中の待機姿。
実は、表情が最も落ち着いていて、シャッターチャンスに恵まれた“静の場面”です。
入場シーン:狙い目の位置
- 入場門の斜め前方(進行方向に対して約30度)
- 少し先回りした位置から、正面を捉えるように待つ
退場シーン:狙い目のタイミング
- 列が動き出す直前
- 移動が始まる瞬間の前、まだ表情が見えているとき
整列や待機時間
- 地面に座っている/列になって並んでいる状態をやや離れた斜め前から
- 表情が和らいでいるため、自然なカットが狙いやすい
設定のポイント
- シャッタースピード:1/250〜1/400秒(動きが少ない)
- ISO:低め設定でノイズを抑える
- 焦点距離:50〜85mmで背景整理しやすく
“撮り逃し”が起きにくい分、表情に深みが出やすい場面でもある
空白時間こそチャンス!導線調整と“間の写真”のすすめ
運動会では、競技と競技の合間に数分〜十数分の“空白時間”があります。
この時間、ただ休んでいるのは非常にもったいない。
空白時間の有効活用法
- 次の競技の正面ポジションへ早めに移動
- 撮影制限ラインや混雑状況の再チェック
- 子どもの位置確認と撮影計画の調整
- 回遊導線の場合は「一歩先」のスポット確保に動く
「間」の写真の価値
- 子ども同士が笑い合っている姿
- 水を飲んでいるリラックスした表情
- カメラを意識しない“素の顔”
これらは演出されていない“その子らしさ”が写る貴重な一枚になります。
競技の派手さだけに注目せず、「何気ない瞬間」にこそ真の思い出が宿る
機材別攻略編:スマホと一眼で変わる立ち位置戦略
スマホ vs 一眼:撮れる距離とブレやすさは全然違う
まず大前提として、スマホと一眼では「撮れる写真の質」よりも「撮れるシーンの選び方」が変わります。
スマホでの撮影の特徴
- ズームがデジタル処理中心のため、遠距離は画質が粗くなりがち
- 広角レンズ傾向が強く、被写体が小さく写る
- シャッターの反応速度が遅れやすい(特にアプリ撮影時)
立ち位置の工夫
- 競技エリアにできるだけ近い位置
- 子どもが動きを止める瞬間(整列・ポーズなど)を狙う
- 正面に近いポジションで、顔がしっかり写る距離感を優先
設定の工夫
- 「ライブフォト」や「バーストモード」を活用
- 明るい場所では露出を−0.3ほど補正して白飛びを防止
- タップAF+AEロックを使って安定感のある画づくりを


望遠レンズのメリットと、あえて近づくべき場面
望遠ズームレンズ(70-200mmなど)は、運動会で非常に重宝します。
しかし、万能ではありません。
望遠レンズの強み
- 後方からでもアップが撮れるため、混雑エリアを避けられる
- 子どもの表情や手足の動きなど、細部を捉えやすい
- 競技中の移動距離が減り、導線に余裕が生まれる
注意点と弱点
- 画角が狭くなり、子どもをフレームアウトさせやすい
- 最前列が不要なぶん、構図に甘さが出やすくなる
- 揺れやブレに強いボディ内手ブレ補正がないと失敗率が上がる
近づいた方がいい場面
- ダンスなど複数人が並ぶ場面(広角の方が構図が整いやすい)
- 親子競技や整列中の撮影(対面距離での自然な表情)


写真+動画の両立は可能か?時間配分と設定切り替えのコツ
最近は、写真だけでなく動画も記録しておきたいという保護者が増えています。
ただし、一人で両方を完璧にこなすのは極めて難しいのが現実です。
種目ごとに“目的”を分けるのがコツ
| 種目 | 写真向き | 動画向き | 理由 |
|---|---|---|---|
| 徒競走・リレー | ◎ | △ | 表情や瞬間の切り取りが重要 |
| ダンス・表現 | △ | ◎ | 動きの流れや音と同期して残したい |
| 玉入れ・綱引き | ◎ | ◎ | チーム全体の動きと顔が同時に狙える |
両立のためのポイント
- 動画優先時は三脚+手元操作で録画ON→静止画は諦める
- 写真優先時は「開始前 or 終了後」にだけ短く動画を回す
- 可能であれば家族で分担し、「役割分け撮影」を導入する
両方を欲張らない。
「どのシーンをどう残すか」に優先順位をつけることが最も大切
撮影に失敗する人の共通点と改善策
撮影歴に関係なく、同じような“撮り逃し”が多く見られることがわかっています。
以下に代表的な失敗例と改善ポイントを整理します。
| よくある失敗パターン | 原因 | 改善ポイント |
|---|---|---|
| すべての競技を撮ろうとする | 無計画・欲張り | 優先競技を3つに絞る/導線は減らす |
| 撮影中に立ち位置を変えてしまう | 目移り/不安 | 競技前に位置を決めて動かない覚悟 |
| 画面で子を見失う | ズームしすぎ/構図ミス | 広め構図→後でトリミング/AF-Cで追従 |
| 他人の前に出る・長時間居座る | ルール無視/悪目立ち | 撮影許可エリア+時間制限の意識を持つ |
| 動線逆行でトラブルになる | 流れ無視 | 人の流れと逆方向に動かない導線設計 |
撮れる人は、「何を撮らないか」まで決めている。
限られた時間と条件の中で、最大の成果を残すには“選ぶ勇気”が重要です。
さいごに:思い出を最高の形で残すために
運動会の一日は、子どもたちにとって一瞬かもしれませんが、
その一瞬を「どう残すか」は、私たち撮る側の工夫にかかっています。
最前列にいなくても、立派な一枚は撮れます。
高級なカメラがなくても、“その子らしい表情”は残せます。
大切なのは、
「どこで」「どう撮るか」をあらかじめ考え抜いておくこと。
そして、撮ることばかりに気を取られず、
その場にいる時間ごと楽しむ余白を持つことだと感じています。
わが子がこちらに笑顔を向けたとき、
シャッターを押せるかどうかは、ほんの数秒の準備の差。
その一瞬のために、この記事が少しでも役立てば嬉しいです。
初めてカメラを選ぶ人へ
「2025年版|子どもの行事に初カメラデビュー。失敗しないミラーレス選びの考え方」
カメラ選びの基準を、用途別に整理しました。


本記事の内容は、各メーカーの公式技術資料・製品仕様・公開ガイドラインに基づいて一般的な傾向を整理したものであり、特定の製品性能や個体差を保証するものではありません。記載されている情報は執筆時点のものであり、ファームウェア更新・製品改良・仕様変更などにより内容が変わる可能性があります。また、掲載された設定例や撮影方法は筆者の実践・検証結果に基づくものであり、すべての環境・被写体において同様の結果を得られることを保証するものではありません。本記事を利用したことにより発生したいかなる損害やトラブルについても、筆者および当サイトは一切の責任を負いません。
最終的な判断および設定選択は、必ずご自身の機材・撮影条件に合わせて実施してください。
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