正直に言えば、私も最初は「スマホ充電くらいならダイソーのバッテリーで充分」と思っていました。
安さに惹かれて買ったものの、実際に使ってみると――充電スピードの遅さ、不安定な挙動、発熱。予想外のトラブルに直面し、「この選択は正しかったのか?」と考え込むことになりました。
調べていくうちにわかったのは、100円ショップのモバイルバッテリーには“価格だけでは見えてこないリスク”があるということ。ですが、すべてがダメというわけではなく、「選び方」「使い方」次第で、十分に使い道がある製品も存在します。
本記事では、ダイソーで買えるモバイルバッテリーの現状と注意点を、できるだけわかりやすくお伝えします。購入前に「本当にその選択で大丈夫か?」を考える材料になれば幸いです。
この記事でわかること
- ダイソーで売っているモバイルバッテリーの種類とスペック
- PSEマークや安全性のチェックポイント
- どんな人が使うべきか、やめた方がいいのはどんな人か
- ダイソー製バッテリーとの安全な付き合い方
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の製品や選択を推奨・保証するものではありません。内容には十分注意を払っていますが、本記事を参考にされたことによって生じたいかなる不利益・損害に対しても、当方は一切の責任を負いかねます。あらかじめご了承ください。
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ダイソーのモバイルバッテリーとは?ラインナップと価格帯
ダイソーさんといえば“100円ショップ”というイメージが根強いですが、実際に店舗を訪れてみると、スマホ関連製品のコーナーには1,000円を超える高機能なアイテムも並び、想像以上の充実ぶりに驚かされます。
モバイルバッテリーもその例外ではありません。
現在、ダイソーで取り扱われているモバイルバッテリーの価格帯は**550円・770円・1,100円(税込)**の3種類が中心となっており、いわゆる“100円商品”ではないことに注意が必要です。
容量に関しては、5,000mAhから10,000mAh程度のモデルが主流で、USB-Aポート1口タイプや2ポートタイプも登場しており、「1回〜2回のスマホフル充電」に対応した実用的なスペックとなっています。
コンビニなどで販売されている同等品と比較しても、かなり安価であると言えるでしょう。
さらに最近では、ワイヤレス充電対応モデルや、LEDライト付きモデルといった付加価値を備えた製品も一部店舗で展開されており、「安さだけが売りの100均」という従来のイメージからは一線を画しています。
とはいえ、こうしたダイソーのモバイルバッテリーは、やはり“メイン用途”というよりは「いざというときに役立つサブ機」として活用するのが現実的です。たとえば、「1日の外出でスマホの充電が少し不安なとき」や「通勤・通学時にバッグに忍ばせておく用」といった、短時間での使用を想定した方がよいでしょう。
また、商品によっては急速充電非対応、出力が2A未満である、発熱しやすい構造であるといった点も見られますので、スペック表記はしっかり確認して選ぶことが大切です。
✅ ダイソーのモバイルバッテリーは550円〜1,100円(税込)の価格帯
✅ 容量は5,000mAh〜10,000mAhが主流で、1〜2回分の充電に対応
✅ 緊急用・サブ機としての使用に適しており、メイン運用は非推奨
✅ 急速充電や長時間使用を求める場合は慎重な選定が必要
ダイソーと他社モバイルバッテリーの比較表(2025年版)
メーカー | 価格(税込) | 容量 | USBポート | 急速充電 | PSEマーク | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
ダイソー | 550円 | 5,000mAh | 1ポート | 非対応 | あり | 簡易的な利用向け |
ダイソー | 770円 | 8,000mAh | 1ポート | 非対応 | あり | やや容量多め |
ダイソー | 1,100円 | 10,000mAh | 2ポート | 一部対応(記載による) | あり | 最も実用性が高い |
コンビニ製品 | 1,500円〜2,500円 | 5,000〜10,000mAh | 1ポート | 一部対応 | あり | 価格高め、品質安定 |
Anker | 2,000円〜4,000円 | 10,000〜20,000mAh | 2〜3ポート | 急速充電対応 | あり | 信頼性・保証あり |
無名中華製品 | 1,000円〜1,800円 | 10,000mAh前後 | 2ポート | 非対応〜一部対応 | 無い製品も | 個体差あり、安全性注意 |
PSEマークはある?安全性と製品の見分け方
「ダイソーでモバイルバッテリーを買っても大丈夫?」と聞かれたとき、真っ先に確認すべきなのが「PSEマーク」の有無です。
モバイルバッテリーは電気用品安全法の対象であり、PSEマークがない製品は基本的に販売が認められていません。ダイソーで販売されているモバイルバッテリーは、PSEマークが表示されており、電気用品安全法に基づく安全基準を満たしています。
ただし、ここで安心しきってしまうのは早計かもしれません。
というのも、製品のパッケージや本体にマークが印字されていても、品質にはバラつきがある可能性があるからです。実際、筆者が購入した製品にもPSEマークはあったものの、使用中に熱を持ちすぎて怖くなり、結局使用を中断したという経験があります。
安全性を確保するためには、次のようなポイントをチェックするのが有効です。
- パッケージの記載内容が明瞭であるか(型番・容量・出力など)
- 本体に発熱や異音がないか
- 充電が異常に遅くないか
- そもそも“スマホ用”であるか(意外にここを見落とす人も)
また、100均という特性上、メーカーのサポート体制が手薄であることが多く、万一のトラブル時に連絡先が不明確なことも。こうした背景を踏まえると、購入後すぐに動作確認を行い、「異常がないか」を丁寧に確認する習慣を持つことが求められます。

✅ PSEマークは必ず確認
✅ ただし「PSEマークがある=安全」ではない
✅ 購入後すぐに発熱・異音・異常挙動のチェックを推奨
ダイソーのモバイルバッテリーを買ってもいい人・やめた方がいい人
「ダイソーでモバイルバッテリーを買ってもいいかどうか」は、あなたの使い方次第です。価格が安いという点は魅力的ですが、あくまで“サブ”としての用途に限った方が安全です。
買ってもいい人の特徴
まず、買っても問題ないのは以下のような人です。
- 短時間・軽い用途にしか使わない人
→ たとえば通勤途中でスマホの電池が切れそうなときに数%だけ足したい人など。 - 予備バッテリーが欲しい人
→ メインの大容量バッテリーがあるけれど、緊急用として財布やバッグに1つ入れておきたい場合。 - とにかく予算が限られている人
→ 安さを最優先したい人。日常のサブガジェットとして割り切れる人ならアリ。
やめた方がいい人の特徴
一方で、「これに命を預けるのは怖い」と感じるシーンもあります。以下に該当する方は避けた方がよいでしょう。
- 旅行や災害時のために備えたい人
→ 信頼性の低い製品は、いざというときに役に立たない可能性があります。 - 長時間スマホを酷使する人(ゲーム・配信など)
→ 発熱や出力不足でスマホ本体にも悪影響が及ぶリスクがあります。 - 充電スピードにこだわる人
→ ダイソー製品には急速充電対応品が少なく、現代のニーズに合わない場合があります。
選ぶ基準は「その製品を、どんな場面でどんな風に使うか?」を自問すること。それによって、「ダイソーのバッテリーでも大丈夫か?」の答えは変わります。
✅ 短時間利用・予備用途には◎
✅ 災害時・長時間利用・メイン運用には×
✅ 自分の用途を明確にすることで判断できる
まとめ:ダイソー製モバイルバッテリーとの付き合い方
ダイソーさんのモバイルバッテリーは、確かに「価格」だけで見ると非常に魅力的です。コンビニよりも安く、見た目もそこまで安っぽくない。つい手が伸びてしまうのも無理はありません。
しかし、実際に使ってみてわかったのは、「安いには安いなりの理由がある」という事実でした。充電速度や安定性に不安を感じたり、説明書やパッケージの記載が不十分だったりと、“価格相応”の部分は否めません。
それでも、完全にダメかといえば、そうとも言い切れないのが正直なところです。短時間の予備用途や、カバンに忍ばせておく緊急用としては十分使えますし、製品によっては意外と長持ちするものもあります。
だからこそ、この記事を読んでくださったあなたには、こう伝えたいのです。
「ダイソーのモバイルバッテリーを使うなら、必ず“使い方”と“期待値”を見極めて。」
どんな製品にもメリットとデメリットがあります。そのバランスを理解した上で、自分の目的に合った選択をすることこそが、“賢い消費者”の姿だと私は思っています。
✅ 安くて手軽だが、“過信”は禁物
✅ 自分の使い方に合わせて選べば、意外と便利
✅ 選ぶ目と使い方で、安全性は大きく変わる