1987年に登場したCanon EFマウントは、
長年にわたってプロからアマチュアまで
幅広く支持されてきました。
しかしキヤノンが
ミラーレスのRFマウントへと軸足を移した現在、
中古市場ではEFレンズがどのような価格帯で
流通しているのかが気になる方も多いのではないでしょうか。

これまで何度もEFレンズを中古で買い集めては失敗し、高く掴んだり、状態の見極めを誤ったりしてきたので、怖いんです・・



そんな経験から学んだ「相場を読む力」を、同じように迷う方へ伝えたいと思います。
この記事では、最新の相場データを踏まえて「今EFレンズを手に入れるならどこまでが妥当なのか」を、入門単焦点から名玉まで整理してご紹介します。
この記事でわかること
- 2025年9月時点での主要EFレンズ中古相場の目安
- 定番から名玉まで、用途別おすすめモデルと価格レンジ
- 買取・下取りの目安とASP導線の活用方法
- 中古購入時に注意すべきリスクとチェックポイント


EFマウントの基礎知識と市場の前提



まずは基礎から整理いたしましょう。EFマウントがどのようなものかをご存じないと、中古相場を見ても理解が難しくなります



なるほど。いきなり価格の話ではなく、歴史から入るべきなのですね



はい。背景を押さえることで、価格変動の理由も見えてきます
キヤノンが1987年に発表したEFマウントは、
電子接点式を採用した一眼レフ用のマウントとして長年にわたり多くの写真家に支持されてきました。
プロからアマチュアまで、膨大な数のレンズがこの規格を母艦として活躍し、写真文化を支えてきたのです。
その後キヤノンは、フルサイズミラーレスのRFマウントへ主力を移しました。
しかし公式アダプター「Mount Adapter EF-EOS R」シリーズを使えば、EFレンズはEOS Rボディでもほぼ制約なくご使用いただけます。
EOS R世代ではAF性能や手ぶれ補正(IS)の連携も強化されており、この互換性がEFレンズ資産の現役寿命を延ばしているといえるでしょう。



すでに生産終了しているレンズもあると聞いたのですが



はい。2021年前後から順次生産終了の流れが進みました



それでは中古価格が急に高騰してしまうのではないでしょうか



一時的に価格が上がることもあります
しかしRF移行でレンズの放出が進み、中古市場の在庫は比較的潤沢です。結果として人気モデルほど安定した価格帯に落ち着く傾向にありますね
中古相場を調べる際には、国内大手中古店――
フジヤカメラ――を中心に確認するのが有効です。
これらの店舗は在庫が豊富で、商品ページに個体の詳細や状態ランクが明示されているため、購入前に判断しやすい特徴があります。
さらに
価格.com や
などの横断サイトを活用すると、複数店舗の掲載例やオークションの成約価格まで一度に把握できます。



つまり、これらのサイトを活用すれば、現時点の中古市場における相場感を効率的に把握できるということですね。



その通りです。次は具体的なレンズごとの価格帯について詳しく見てまいりましょう
入門レンズと定番標準ズームの相場



ここからはいよいよ具体的なレンズの価格帯に入ります



はい、入門用からお願いします。これからEFを始めたい人が最初に手に取るレンズってどれでしょうか



代表的なのは“撒き餌レンズ”とも呼ばれるEF50mm F1.8 STMです
EF50mm F1.8 STM


中古市場ではおおむね1万円台前半から中盤で安定しています。
在庫は豊富で、マップカメラやカメラのキタムラなど国内大手中古店を横断しても大きな価格差は見られません。
新品との差額が明確に分かるため、初めて中古を買う際の基準としても参考になります。
EF40mm F2.8 STM(パンケーキ)



このレンズは小型軽量で、EOS Rにアダプターを付けてもバランスが良いのが魅力です



軽いレンズは日常スナップにも便利そうですね
中古は1万円台前半で出回ることが多く、在庫回転も比較的速い印象があります。
EF24-105mm F4L IS USM(初代/II型)
標準ズームの定番として知られ、初代は6万円台後半から7万円前後で安定しています。
II型は光学性能やIS性能が向上しており、中古価格は12万円前後と初代より一段高めです。
複数店舗の比較で、状態や付属品による差を見極めることが重要です。
EF24-70mm F2.8L II USM





プロも使う標準ズームの柱ですね



動体やブライダル撮影など、幅広く使えるという評判をよく耳にします
中古では12万円から15万円台に分布し、
フジヤカメラなどでは新品参考価格が20万円台半ばです。
マップカメラでは14万円台前後の在庫例もあり、価格差を見極めて購入することがポイントとなります。
EF16-35mm F4L IS USM/16-35mm F2.8L


広角ズームとして人気が高く、F4L ISは6万円から7万円台が中心です。
キタムラでは5万円台後半から9万円まで幅があり、在庫回転が速いのでタイミングを逃さないことが大切です。
一方でF2.8L系は初代とIII型で大きく価格が異なり、III型はさらに高額になります。



こうして見ると、標準域だけでも選択肢が多いですね



その通りです。次は動体撮影やスポーツなどで活躍する望遠ズームを確認していきましょう
望遠ズームの中古相場



ここからはスポーツや野鳥撮影など、遠くを狙う方が気になる望遠ズームです



動く被写体を撮るなら、やはり明るくて焦点距離の長いレンズが必要ですよね。



そうですね。人気機種の価格帯を一つずつ見てまいりましょう
EF70-200mm F2.8L IS II USM


スポーツやイベント撮影の定番レンズです。
中古市場ではおおむね11万円から16万円前後に分布しています。
価格.comや国内大手中古店の比較ページでは、最新登録例から直近の相場感を把握できます。
ワンプライス買取では約9万円前後が目安とされており、買い替え時の差額計算に役立ちます。
EF70-200mm F4L IS USM(初代/II型)





軽量志向の方にはこちらがおすすめです



長時間の持ち歩きでも負担が少なそうですね
初代F4 ISは5.7万円から8万円台で流通しており、II型は10万円前後からが中心です。
キタムラなどでは5万円台後半から9万円台にまとまっており、状態による価格差が比較的わかりやすいモデルです。
EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM
野鳥や航空機撮影の人気モデルです。
中古では17万円台前後の提示例が多く、メルカリなどオークションでも14.9万円から17.2万円前後で見かけます。
キタムラやマップカメラのプロメンテ表記付き個体は、状態保証がある分やや高値になる傾向があります。



望遠ズームはやはり高額帯が多いですね・・・



しかし用途に応じた選び方をすれば、長期的には十分価値を保つ投資になりえますね



確かに、撮影ジャンルに合わせて慎重に選ぶことが大切ですね



次は“名玉”と呼ばれる単焦点レンズの相場をご紹介いたします
名玉・単焦点の相場と人気の理由



ここからは“名玉”と呼ばれる単焦点レンズについてご説明いたします



名玉というのは、写りに定評があってファンが多いレンズのことですよね



その通りです。価格はやや高めですが、独自の描写が魅力で中古市場でも根強い人気があります
EF135mm F2L USM
ポートレート撮影で名高いレンズです。
中古では6.7万円から8.1万円程度が目安で、ワンプライス買取は約5万円前後が多く見られます。
長年評価が安定しているため、購入後も価格が大きく崩れにくいのが特徴です。
EF85mm F1.2L II USM
A「大口径レンズの象徴ともいえるモデルです。」
B「背景がとろけるようなボケ味が魅力的ですね。」
中古相場は10万円から14万円台が中心で、ワンプライス買取は7〜8万円前後が目安です。
絞り羽根の動きやAF精度など、個体によって状態差が出やすいので、購入時は店舗コメントをしっかり確認することをおすすめします。
EF200mm F2.8L II USM
軽量ながら切れ味ある描写が評価されています。
中古価格はおおむね7万円前後で、ワンプライス買取の目安は4万円台半ばです。
付属フードの有無や外観の状態で価格が変わりやすいため、付属品の確認が重要です。



名玉と呼ばれるだけあって、価格は少し高めですが価値が下がりにくい印象ですね



その通りです。
これまでのまとめを確認して、次はボディ相場と総コスト感についてお話ししましょう
紹介中古レンズまとめ
カテゴリ | モデル | 中古実勢価格(おおよそ) |
---|---|---|
標準・入門 | EF50mm F1.8 STM | 約9,900〜13,800円 |
EF24-105mm F4L IS USM(初代) | 約6.1〜6.5万円 | |
EF24-70mm F2.8L II USM | 約14.8万円(10〜14万円台中心) | |
EF16-35mm F4L IS USM | 約5.7〜7.5万円 | |
望遠ズーム | EF70-200mm F2.8L IS II USM | 約12.6〜15.0万円 |
EF70-200mm F4L IS USM(初代) | 約5.7〜8.3万円 | |
EF70-200mm F4L IS II USM | 約14.2万円 | |
EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM | 約17.2万円(メルカリ約14.9〜17.2万円) | |
名玉・単焦点 | EF135mm F2L USM | 約8.18万円 |
EF85mm F1.2L II USM | 約11〜15万円(難有品で15.18万円例) | |
EF200mm F2.8L II USM | 約7.0万円(キタムラ5〜9.9万円帯) |
注意事項
- 上記は2025年9月に確認できた中古店・価格比較サイト・オークションの掲載例であり、実際の販売価格や買取価格を保証するものではありません。
- 状態ランク(AB・B・Cなど)、付属品の有無、保証や整備済み(UCS点検・プロメンテ)によって数万円単位で変動します。
- 最新相場を記事に反映する場合は、価格.com 中古比較やマップカメラ、カメラのキタムラ、等の在庫更新を随時確認してください。
- ※記事内では外観をイメージしやすいようにAmazonリンクを掲載していますが、型式の最終確認や・新品中古の区別は各自でお願いいたします。(ほぼ新品かも)
ボディ相場と総コスト感



ここからはレンズだけでなく、EFボディ本体の中古相場にも触れておきましょう



レンズを揃えるだけでなく、母艦となるボディの価格も把握しておかないと、総コストを見誤りますものね



その通りです。レンズ資産を活かすためには、ボディ選びの費用感を掴むことが重要です
EOS 5D Mark IV


フルサイズの定番機として今も人気があります。
中古市場では10万円から15万円帯の在庫が中心で、キタムラでは美品が19万円台後半で掲示されている例もあります。
発売から年数を重ねても、プロ機としての信頼感から相場は比較的底堅く推移しています。
EOS 6D Mark II





フルサイズの入門としては、このモデルが狙いやすいでしょう



価格を抑えつつも、EFレンズを活かせるのは魅力的ですね
マップカメラでは10万円前後での掲載例が多く、5D Mark IVよりも手頃な価格帯で手に入ります。
コストを抑えてフルサイズ撮影を始めたい方に適した選択肢と言えます。



これらの“母艦価格”とレンズ価格を組み合わせることで、EFボディで運用する総コストを試算できます



EOS Rシリーズにアダプターを付ける場合の費用感と比べて検討することも大切ですね



その比較をすることで、どの投資が自分に合っているかが見えてきます
中古購入のリスクとチェックポイント



最後に、中古品を選ぶ際に気をつけるべきポイントを整理しておきましょう



安く買えても、後でトラブルがあっては意味がありませんものね



まさにその通りです。EFレンズは供給が豊富で価格も安定していますが、世代が古いものほど注意すべき点がございます
光学系の状態
古いレンズでは、レンズ内部にクモリやカビが発生している場合があります。
外観がきれいでも、内部の曇りは写りに影響することがありますので、店頭で光を当ててチェックするか、通販の場合は詳細写真を確認することが大切です。
AF駆動系・電子接点



USMモーターなどのAF駆動系は、使用年数によって個体差が出やすい部分です



AFが正しく動かないと撮影に支障が出ますね



はい。距離エンコーダや接点の接触不良がないか、店舗で動作確認をしてもらうと安心です
機構や外装の摩耗
ズーム鏡胴のガタや、前玉コーティングの拭き傷なども価格差の要因になります。
店によっては「UCS点検済」や「プロメンテ済」といった整備済み表記がありますので、そのような個体を選ぶと安心度が高まります。



やはり状態をしっかり見極めることが、中古購入の最大のポイントですね



その通りです。これらを押さえたうえで選べば、EFレンズはこれからも長く使える資産になります




まとめ:なぜ今EF中古を選ぶのか



ここまでで、EFマウントの背景から各レンズの相場、そして買取やリスクまで一通りお話ししました



改めて整理してみると、EFレンズが今も魅力的である理由がよく分かりますね
EFマウントは1987年の登場以来、プロ・アマを問わず膨大なレンズ資産を築いてきました。
ミラーレスのRFマウントに主軸が移っても、
公式アダプターによりEOS Rシリーズで現役運用できる互換性が、
EFレンズ中古市場の価格を下支えしています。
生産終了の動きがありながらも、市場には潤沢な在庫が流通し、人気モデルほど安定した価格帯に落ち着いているのが現状です。



中古購入では状態の確認と、買取時の目安を理解しておくことが重要です



その知識があれば、購入後に買い替える際も差額計算がしやすく、無駄な出費を防げますね
EFレンズは入門者にもベテランにも、価格と描写力のバランスが取れた選択肢です。
RFシステムへの移行期にある今こそ、安定した中古相場を活用して、自分に合った一本を見つける絶好のタイミングといえるでしょう。